教授挨拶Greeting
小宮 幸作
KOSAKU KOMIYA
大分大学医学部
呼吸器・感染症内科学講座 教授
学生、研修医の皆様へ
当ホームページを訪れていただき誠にありがとうございます。
当講座の歴史は、2013年に行われた臓器別講座再編において、当時の総合内科学第二講座と総合内科学第三講座の呼吸器内科グループが統合されたことに始まります。門田淳一名誉教授が呼吸器・感染症内科学講座の初代教授を務められ、2024年4月から小生が二代目に着任致しました。
呼吸器内科は、呼吸器感染症、肺癌、間質性肺疾患、アレルギー疾患など多岐に渡る病態を対象にしています。そのため、全身管理を必要とする救急疾患から慢性疾患の管理、そして患者さんの最期まで寄り添う全人的な医療を提供するスキルが要求されます。一方で、集中治療、癌治療、総合診療といった要素もあるため、これらの分野に興味があるものの、将来の方向性に迷っている研修医の先生にとって門戸の広い領域と言えます。
教育としては、医学生から研修医、若手医師までシームレスな教育体制作りに力を入れています。近年、当講座に対する医学生からの評価は高く、医師国家試験対策に関する書籍や雑誌の執筆依頼を多く引き受けています。研修医や若手医師には、学会での発表を積極的に奨めています。過去5年間では、毎年1名以上が最優秀賞や育成賞などを連続して受賞しています。その他、若手医師の意欲に応じて、大分県以外での施設(日本赤十字医療センターや麻生飯塚病院等)とも連携し期間を設定した研修も推奨しています。
研究では、感染症領域をはじめとして、間質性肺炎領域、肺癌領域において、臨床研究および基礎研究を行っています。特に、非結核性抗酸菌症に関しては多くの公的研究資金を獲得し、結核予防会結核研究所の先生方と共同研究を進めています。卒後間もない先生の場合、専門医取得のための準備が負担となっているようです。そのような状況では、まずは既存データを用いた臨床研究を発案し、基本的な研究デザイン力、統計、英語論文の執筆方法を学ぶことを推奨しています。臨床研究から生じた疑問に対し、さらなる見識を深めるために基礎研究に進むことも非常に重要と考えています。
診療においては、肺癌、感染症、間質性肺炎等の先進的な医療を提供しています。大分大学病院の他、大分県立病院、大分赤十字病院、鶴見病院、別府医療センター、新別府病院、へつぎ病院といった関連病院との連携も重視しています。COVID-19パンデミックにおいても、当講座が大分県の重症COVID-19診療の中心的な役割を果たしました。各種学会との連携も非常に多く、様々な臨床試験に参加しています。また、感染症内科として、HIV感染など呼吸器に限らない全身疾患としての感染症診療にも力を入れています。
当講座は再編後の歴史は浅いものの、教育、研究、診療において確実な発展を遂げています。大分大学以外の出身者や若い医師も多く、風通しのよい活気がある医局であると自負しています。私自身大分県以外の出身ですが、大分県は周辺環境を含め住みよい地域です。興味があれば、ぜひご連絡をください。
教授プロフィール
- 1998年
- 福岡県立明善高等学校 理数科 卒業
- 2004年
- 宮崎医科大学医学部 医学科 卒業
- 2004年
- 麻生飯塚病院 初期研修医
- 2006年
- 同院 呼吸器内科
- 2008年
- 国立病院機構東京病院 呼吸器内科
- 2010年
- 大分大学医学部 総合内科学第二講座入局
- 2013年
- 大分大学医学部 博士課程 早期修了
- 2014年
- 佐賀大学医学部 分子生命科学講座 分子医化学分野
- 2015年
- Post-doc researcher, Pediatrics, Virginia Commonwealth University
- 2017年
- 大分大学医学部 結核医療体制強化事業 准教授
- 2019年
- 聖路加国際大学大学院 公衆衛生研究科
修士課程 修了 - 2020年
- 大分大学医学部 呼吸器・感染症内科学講座 准教授
- 2024年
- 大分大学医学部 呼吸器・感染症内科学講座 教授
主な受賞歴
- 2012年
- 日本化学療法学会 西日本支部支部長賞
- 2013年
- Scholarship Award of the Assembly on Microbiology, Tuberculosis & Pulmonary Infections, American Thoracic Society International Conference 2013
- 2013年
- 日本呼吸器学会 学術奨励賞
- 2017年
- Scholarship Award of the Assembly on Pediatrics, American Thoracic Society International Conference 2017
- 2022年
- 日本感染症学会西日本地方会 感染症優秀論文賞
- 2024年
- 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 今村賞